解雇・雇止めに関するご相談
目次
解雇・雇止めの基本知識
解雇手続の不備により使用者が被る負担は大きい
問題を頻繁に起こしている従業員がいる、経営不振に陥っており人件費を削減する必要があるなど、従業員をやめさせたいという理由はさまざまであると考えられます。この場合、雇用主は、従業員を辞めさせようとする場合、まず退職を勧め(退職勧奨)、これに応じない場合には解雇(有期雇用の期間満了であれば雇止め)と言う手段を講じることになると考えられます。
もっとも、従業員を合意によらずに退職させることは法律により規制されているため、十分な理由を必要とし、また適切な手続きを踏む必要もあります。そして、言い渡した解雇が要件を満たさず、無効なものとされた場合、使用者は、従業員を復職させる義務に加えて、解雇時から復職時点までの給料を支払う義務を負うことになります。また、退職勧奨についても、その内容によっては違法なものと評価され、使用者は労働者に損害賠償責任を負うこともあります。したがって、解雇手続の不備は、雇い主に極めて大きな損害をもたらす危険があるものと言えます。
退職勧奨も内容・程度によって違法になる
解雇手続を行う前段階として、従業員に対して退職の合意するよう働きかけることがあります(退職勧奨)。退職勧奨は、それ自体が何かの法的効果を持つものではなく、あくまで労働者の自発的意思に委ねた働きかけに過ぎないため、原則として自由な行為であり、違法なものではありません。しかしながら、まる。また、労働者から拒絶の意思が示されていない場合であっても、労働者の人格を毀損したり、威圧するような態様で行われた場合にも、違法なものと評価される可能性があります。
解雇に至る手続がどのように考慮されているか
従業員側の事情を理由とする解雇(普通解雇、懲戒解雇等)を行う場合、基本的には改善の機会を与えたかという点が重視されます。そして、訴訟等で改善の機会を与えたという事実を争われた場合、使用者側が何ら証拠を提出できないときには、改善の機会を与えた事実が認定されない可能性もあります。そのため、能力不足や非違行為等が認められる従業員に対しては、注意・指導を行うなどして改善の機会を与えるとともに、これを始末書等の書面やメールの形で保全しておくことが重要であると考えられます。
他方、整理解雇の場合、その適法性を判断する場面で考慮される四つ要素の中には、解雇回避措置をとったこと、整理解雇手続が妥当であることというものがあります。すなわち、整理解雇を行う場合、まず配転、出向、一時帰休、賃金の引き下げ、新規採用の制限、希望退職の実施等を行い、従業員全般に解雇を回避するための方策を取ることが求められています。また、特定の従業員を整理解雇する場面では、当該従業員や労働組合等の団体と協議し、適切な退職条件を提示するなどの点も考慮されています。
→そのほか、気になる点がある方は、「よくあるご質問」も参考にしてください
費用について
特定の社員に対する退職に関する交渉、手続の助言
着手金 | 22万円(税込) |
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報酬金(交渉により退職を実現できた場合) | 22万円(税込) ※顧問契約を締結している使用者の方の場合、交渉段階での着手金は不要です |
整理解雇等の複数の社員に対する退職に関する交渉、手続の助言
着手金(交渉) | 27万5000円(税込)~ |
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報酬金(解雇手続を完了した場合) | 27万5000円(税込)~ ※顧問契約を締結している使用者の方の場合、上記弁護士費用は30%減額いたします |
→訴訟、労働審判等の対応については、当該専門ページをご参照ください
弁護士に依頼した場合のメリット
1.争われにくい適切な手続を取ることが期待できる
退職に向けた手続に不備があると、解雇等の効力を争われた場合、不備を理由に解雇が無効になる可能性が高まります。そうすると、退職した従業員側としては、解雇を訴訟等の手段により争うインセンティブが高まります。そして、解雇が無効とされた場合、退職日から解決時(判決時等)までの賃金を支払うという極めて大きな負担を課せられることにもつながります。そのため、退職に向けた手続を適切なものとすることは、将来の紛争を予防し、大きな損害を被ることを回避するために必要なものであると考えられます。
労働事件を取扱う弁護士に退職に向けた交渉等を依頼した場合、法律や過去の事例を踏まえて、当該職場にあった交渉・手続の進め方を考案し、後から争われにくい形で手続を進めることが期待できます。
2.解雇等の効力を争われた場合の反論が容易になる
解雇等の効力を争われた場合、使用者としては、解雇が有効であることを、履践した手続の内容を証拠に基づいて主張していくことになります。退職交渉段階で弁護士に依頼をされた場合、弁護士は手続の内容を把握しているため、解雇後から紛争に関与し、使用者から手続の履践内容を聴取した場合に比べて、有利な事情を取りこぼすことなく主張することが期待できます。
担当弁護士の強み
1.労使双方の労働事件に注力
担当弁護士は労使双方からの依頼を受け、かつ、解雇、未払賃金(残業代・賞与の請求含む)、損害賠償請求といった幅広い労働問題について。対応・解決の実績があります。そのため、過去の事例や紛争になった場合の見通しを踏まえて、退職交渉を進めることが可能です。
2.見通し・方針の丁寧な説明、細かな進捗報告
退職交渉は依頼者の方と共同で進めていくことになるため、適切な方針を選択するには依頼者の方に、事件の見通し、進捗状況、考えられる方針を正確に理解していただくことが重要であると考えられます。そのため、担当弁護士は、見通し・方針についての丁寧な説明、細かな進捗報告を心がけており、検討メモや報告書などを作成し、これを通じて正確に理解していただけるよう工夫をしております。
3.再発防止策も併せて検討
ご依頼いただいた件が解決できたとしても、再び退職をさせる必要のある従業員が出現するなど、問題が再発する可能性があります。そのため、事件をご依頼いただいた場合、当該事件の対応のみならず、当該事件から見える同種事案の予防策についても検討を行い、ご助言いたします。
ご依頼の一般的流れ
1.ご相談
お電話又はLINEによりご予約をいただいたうえで、相談をさせていただきます。ご相談の際には、できる限り多くの資料をお持ちいただき、資料から確認できる事件の見通しについてお答えいたします。
2.ご依頼
ご相談時に示した見通し、方針、費用等についてご納得のうえ、依頼を希望される場合、委任契約書を作成させていただきます。
弁護士費用等をはじめとした契約内容について明確にご理解いただけるよう、原則として対面相談時に契約の内容をご説明いたします。そのため、勝手に事件を依頼したことになっている、同意していない弁護士費用を請求されるということはありませんので、ご安心ください。
3.着手
ご契約後、速やかに事件に着手をいたします。特定の従業員に対する退職交渉の場合には、どのような問題が生じているかを確認し、まずとるべき手続をお伝えし、その後の進め方について協議、確認をいたします。