労働審判・裁判対応
このようなときにご相談ください
- 従業員・元従業員が依頼した弁護士から内容証明郵便が届いた
- 辞めた従業に訴えられて、裁判所から訴状が届いた
- 従業員から労働審判を申し立てられたが、第一回の審理日まで時間がない
目次
労働事件に関する法的手続の基礎知識
労働審判とは
労働審判とは、解雇、賃金の未払いなどの労働関係にかかわる事項について、労働者と事業主の間の生じた民事紛争を、当事者の申立てに基づいて裁判所で審理し、調停による解決(和解)を図る手続です。審理は、原則として三回以内で終結することとされ(労働審判法15条2項)、非公開の場で(同法16条)、裁判官から指定される労働審判官、労使それぞれの代表団体の推薦に基づいて選任された労働審判員の合計三人によって進められます。
労働審判対応の留意点
労働審判は、三回以内に終結することとされているなど、手続を迅速に進めるこ都が要請されています。そのため、通常、第一回の審理において、双方当事者から詳細に話を聞き取り、申立て及び答弁書等に表れた主張・反論の当否について心証を形成し、およその調停の方針(双方当事者にどの程度の譲歩を求めるのが相当であるか等)を決定するのが一般です。この心証や方針が第二回以降に変更されることもないわけではありませんが、このような進め方が基本である以上、労働審判委員会の有利な判断を導くには、第一回手続までにできる限りの反論を行うべきであり、訴訟のように簡単な答弁書を提出して、詳細な反論を後回しとするのは回避すべきものと考えられます。
しかしながら、初回審理の日程は申立人及び裁判所の調整により、原則として申立てから40日以内に指定するものとされています。そして、労働審判の申立書は、訴訟と異なり、申立ての原因となる法律関係のみならず、予想される争点及び当該争点に関連する重要な事実等を記載しなければならないものとされ、訴訟における訴状よりも詳細な内奥となっています。そのため、相手方の反論も、訴訟における訴状の反論よりも詳細なものとなり、答弁書の作成に要する労力も訴訟よりも大きなものとならざるを得ません。したがって、労働審判の相手方(たいていは使用者側)は、第一回までに時間的余裕がないことが多く、裁判所から書面が届いた場合には速やかに準備を進めていく必要があります。
訴訟及びその応訴対応について
労働者側の要求を拒否し続けた場合、労働者が要求を実現するために裁判を提起されることがあり得ます。また、労働審判については、裁判所の調停に対して異議を申し立てた場合、調停は無効となり、民事紛争の解決は訴訟に移行して、委ねられることになります。
労働関係訴訟の場合、一般的な民事事件よりも審理が長期化する傾向にあるものとされており、その訴訟対応の負担は相当なものになることが考えられます。また、労働関係訴訟の場合、解雇が争われ無効となったときには解雇日から判決日分までの賃金(バックペイ)、残業代請求が認められたときには付加金(退職後の場合、年14.6%の残業代に対する遅延損害金も)の支払いが命じられることになり、敗訴した場合のリスクが極めて大きくなりうることがあり得ます。そこで、場合によっては、適切に反論しつつも、訴訟の見通しを踏まえって一定の譲歩を行い、和解を試みることも重要です。
費用について
着手金(交渉の対応) | 16万5000円(税込) |
---|---|
着手金(労働審判対応) | 33万円(税込) |
着手金(訴訟対応) | 44万円(税込) ※前段階の交渉・手続をご依頼されている場合、既払の着手金分、減額をいたします |
報酬金 | 事案によって決めさせていただきます 一例)金額の明示がある残業代請求の場合: [相手方の請求額-実際に支払うことになった額]×16%×1.1(税込) |
→その他の料金についてはこちら
弁護士に依頼した場合のメリット
1.適切な防御を行うことが期待できる
労働事件は、解雇に関する争いであればバックペイにより、未払賃金であれば遅延損害金と付加金により、訴訟が長期化するほど、敗訴した場合の支払額が累積的に増額していくことがあり得ます。また、パワハラ・セクハラの慰謝料請求の場合、会社側の責任を認める判決が下されてしまった場合、会社の評判にも関わり、訴訟で命じられた支払額以上の損害を被ることもあり得ます。したがって、敗訴の可能性を下げるために、あるいは敗訴した場合の負担額を可能な限り下げるために、適切な防御活動を行うことは重要であると考えられます。
労働事件の経験ある弁護士であれば、労働者からの請求について適切に防御して、敗訴の可能性、敗訴した場合の負担額を下げることが期待できます。
2.適切なリスク評価に基づいた「落としどころ」の模索
訴訟に絶対はなく、敗訴した場合の過大な負担を回避するため、一定の譲歩を行って和解をすることも有用であると考えられます。この点、高額な和解案を提示すれば和解をできる可能性は上がりますが、高額であればあるほど、和解をすることのメリットが減ることにもなります。
労働事件の経験を持つ弁護士であれば、敗訴の可能性等の見通しを正確に立てて、金額が課題になることを防ぎつつ、労働者側も応じることのできるような和解案を提示し、交渉を進めることが期待できます。
担当弁護士の強み
1.労使双方の労働事件に注力
担当弁護士は労使双方からの依頼を受け、かつ、解雇、未払賃金(残業代・賞与の請求含む)、損害賠償請求といった幅広い労働問題について。対応・解決の実績があります。そのため、労働者側の予想される反論等も踏まえ、正確な見通しを持って、適切に紛争の処理を進めることが期待できます。
2.見通し・方針の丁寧な説明、細かな進捗報告
適切な方針の選択、適当な和解条件の検討には、依頼者において、事件の見通し、進捗状況、考えられる方針を正確に理解することが重要であると考えられます。そこで、担当弁護士は、見通し・方針についての丁寧な説明、細かな進捗報告を心がけており、相談等での口頭での説明に加えて、メールや訴訟の審理日ごとに作成する報告書を通じて、ご依頼者の側において説明・報告内容を再確認することができるよう、また、容易に共有ができるよう努めております。
3.再発防止策も併せて検討
ご依頼いただいた事件が解決できたとしても、使用者側(職場側)に非があった場合には、これを改善しなければ、同種の問題が再発する可能性があります。また、使用者に非がない場合であっても、記録化・証拠化の不備により、非がないことを立証することに支障を来すことがあり、これを改善する必要が生じることもあり得ます。そのため、事件をご依頼いただいた場合、当該事件の対応のみならず、当該事件から見える同種事案の予防策についても検討を行い、ご助言いたします。
ご依頼の一般的流れ
1.ご相談
お電話又はLINEによりご予約をいただいたうえで、相談をさせていただきます。ご相談の際には、できる限り多くの資料をお持ちいただき、資料から確認できる事件の見通しについてお答えいたします。訴訟・労働審判を起こされている場合、裁判所を通じて送られた書面(訴状、証拠等)は、一式すべてを忘れずにお持ちください。
2.ご依頼
ご相談時に示した見通し、方針、費用等についてご納得のうえ、依頼を希望される場合、委任契約書を作成させていただきます。
弁護士費用等をはじめとした契約内容について明確にご理解いただけるよう、原則として対面相談時に契約の内容をご説明いたします。そのため、勝手に事件を依頼したことになっている、同意していない弁護士費用を請求されるということはありませんので、ご安心ください。
なお、着手金のお支払いが確認できてから事件に着手をさせていただきます。
3.着手
契約後、速やかに事件に着手をいたします。すでに訴訟、労働審判を起こされている場合反論の方向性を検討し、時期に応じて提出すべきと考えられる資料をご案内いたします。また、労働審判を申し立てられている場合、同伴いただく関係社員の方を検討し、審判時の受け答えの方針について調整をいたします。